【審査員講評】
加藤 茂外次 氏(国画会会員・皇學館大学教授)
全体に描写力があり、様々なテクスチャーの作品が見られますが、「大賞」の河邑さんは、大胆な構図で、力強いタッチと色調で迫力ある作品になっています。
「審査員特別賞」の藤田さんは、スピード感のある線描で、緊張感のある画面を作っています。
子どもの部の作品は、子どもらしい目で面白い構図の川邊さんの作品は、審査員全員の目を引き「金賞」に選ばれました。
「入選」は、子どもらしい大らかな目とのびのびしたタッチの作品が多く選ばれました。
坂本 泰漣 氏(洋画家)
「まちなみ賞」の奥村邦彦さんの作品は、長い歴史のある関宿の心温まる和やかな情景をセピア系の繊細な色調でじっくりと誠実に描かれています。
「審査員特別賞」の中川淳子さんの作品は、茶系のボードに茶系の水彩で描いた上に黒と白のパステルの線が軽やかなリズムを刻み、見るものの胸に響いています。
「入選」の黒江めぐみさんの作品は、水彩によって描かれた柔らかな色彩が、秋の日射しの温かな空気感を作り出しています。
清水 孝哉 氏(NPO東海道関宿)
第9回のコンクールを迎え、回を重ねる度に、参加する人もどこに着眼して描くか大変苦労されたものと思います。
全体的に観て、重要伝統的建造物群保存地区 の重みが立体的に描かれていて、このスケッチ で町並みそのものだけでなく、過去から今日ま で継承されたものまで、一層鮮明に描き出され ているように感じます。未来への良き財産として残る作品ばかりです。 |