【審査員講評】
加藤 茂外次 氏
途中から雨になって、スケッチするには大変な日になってしまいましたが、参加された皆さんが懸命に描いている姿に感銘を覚えました。
全体に丹念に描かれた作品が多数ありむずかしい審査でしたが大胆な表現の作品や精緻に描かれた作品をバランスよく選べたと思います。
大賞の麻生さんは大胆な筆致で雨に煙る町並みの情景を表情を豊かに表現しています。見る人の視点を中央に誘っていく表現力がとても魅力があります。
まちなみ賞の小垣内さんはデザイン力と技巧に長け小気味よくまとめています。
審査員特別賞の濱崎さんは思い切りのよい線と色使いが明快で、気持よい絵になっています。
子供の作品は、どれも元気のよい作品で造形する楽しさや絵を描く楽しさが伝わってきます。
大人も子供もスケッチする熱意の伝わってくる作品ばかりです。
次回もまた楽しくスケッチに挑戦することを望みます。
坂本 泰漣 氏
今回初めて審査にあたり、200点近くの作品を前にして予想をはるかに越えた表現の巾に対する驚きと喜びを持ちました。
大賞の麻生登志子さんの「雨の関宿」はフォーヴックな要素と繊細で叙情的なものが絡み合い味わいのある充実した印象がありました。
審査員特別賞の金児明彦さんの「地蔵院前」は暖色系と寒色系が入り交じり力強い存在感を発揮していました。
秀作の今地揚子さんの「関の街並」は茶色一色の中に細やかな色彩の変化があり情感豊かな作品でした。
服部 泰彦 氏(NPO東海道関宿)
回を重ねてくると、一見するだけで「ああ、今年も参加してくれた」と何か旧友に会えたような感じがしてきます。
同じ関宿のたたずまいなのに参加者の数だけ違った感じになる事に改めて驚いています。それこそが、絵画の面白さであり、このスケッチコンクールの意義かなと思っています。 |