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第3回関宿スケッチコンクールによせて
コンクール当日は、秋の日差しがやわらかい穏やかな一日。3回目となる「関宿スケッチコンクール」に、今年は150名の方々の参加をいただきました。
画材道具を肩に、一番乗りで駆けつけられた方は名古屋市から。遠くは大阪、奈良からも参加していただきました。また、今年からホームページを立ち上げた効果が見られ、若い方の参加も多くなりました。
東海道五十三次の宿場町として栄えた関宿は、現在、重要伝統的建造物群の保存地区として多くの人々が訪れています。往時のおもかげを色濃く残す町並みは、地域の人々と公との協動で大切に守られています。
このコンクールも3回目となりました。街の人からは「また今年もたくさんの方が来て下さいましたね。」「スケッチをされる方は長い時間、関に滞在していただけるので嬉しいです。」などの、お声がけをいただきます。
町並みの一角にイーゼルを立てて絵を描く人を、多くの観光客が取り囲んで覗き込んでいる光景。ひとつの絵の具箱を使いながら、夢中で描いている親子づれ。いくつかの心に残る素晴らしいシーンが、町並みのあちこちらで見られました。
寄せられた作品は今年も力作揃い。どの作品からも関宿の町並みによせる想いが、伝わってくるようです。今年も審査員の先生方は長時間、選考に悩まれ各賞を決定されました。作品展では、関宿の魅力が十分に表現された素晴らしいスケッチ(素描)に出会っていただけることでしょう。「スケッチの街・関宿」として文化発信できるよう、これからの取り組みについても熟考していきたいと思います。
助成をいただきました岡田文化財団をはじめ、亀山市・亀山市観光協会、亀山商工会議所、NPO東海道関宿等、ご協力をいただきました関係者の皆様に心よりのお礼と感謝を申し上げます。

関宿スケッチコンクール実行委員会
代表  森 敏子


【審査員講評】

小原 喜夫 氏(版画家・四郷版画館館長・国画会)
大賞は上村さんの地蔵院の画。昨年の路地裏の画といい、本作品といい、スケッチで大切なのはまず場所選びである。自分の感性にフィットして誰も描かない地点。これも偏にセンスの問題である。画面を縦横無尽に走るシャープな線。それは両サイドの堀にも、とがった瓦屋根にも、本堂上のどんよりとした空にも伸びている。
この画の魅力は、みる人の魂までも揺さぶってくる、たまらない”せん”と計算された”汚れ”である。それは文学的なストーリィをも喚起させている。
まちなみ賞の山下さんの画は、軒下から向い側、関の戸庵看板から右へ伸びているまちなみをグレイのパステルで塗り、赤色を効果的に配し、ディテールはエンピツの洒脱な線でまとめている、やわらかな感性の作品。
まちなみ賞の加藤さんの作品、地蔵院を斜めから見上げた構図。エンピツに淡い水彩で色づけしたきわめて端正な作品。清々しい誠実感が漂っている。

田島 健次 氏(洋画家・一水会常任委員)
今回は朝早くから曇り空の鈴鹿峠。体育の日と重なって出足が鈍るのではないかと気にしていたが、作品の中味は大変充実しているように思いました。
大賞の上村さんはコンテの味を生かした力強い秀作。山下さんはパステルを使い、しっとりとした味わいの不思議な魅力をかもし出しています。石川さんは昨年につづき今回も格子戸と人物を軽いタッチで表現、加藤さんは独自の角度からとらえて格調のある出来、中川さんの逆光の古井戸はアート感覚の力を秘めています。
子どもの部では、大橋さんが地蔵堂を正面からとりくみ柱や堂内まで丁寧にみている眼差しに感心しました。真弓くんは大きな構成と色彩で豊かな表現、清水くんは建物を大きく入れて石積みの一つ一つに気をくばる姿勢に好感を持ちました。選者としては、器用な上手さよりは対象をよく観察して独自性のある表現力を重視しています。芸術が人をつくり街を豊かにしてゆく架け橋としての関宿スケッチコンクール。主催者の熱意がこれからも大きな輪に広がることを期待しています。

服部 泰彦 氏(関宿保存会会長)
三回目ともなると、作品を見て今年も来て下さったとわかるのがいくつもあって、とても嬉しく思いました。唯、住民の一人としては、もう少し生活感のあるもの、あるいは、人と人とのふれあいの感じられるものがあってもいいかな、と思います。
それが今の関宿がもっている大切なものですから。


【入賞・入選者一覧】

◆出品総数:136点 ●一般の部  98点 ●子どもの部  38点
   
  <一般の部>
  関宿スケッチ大賞 上村 寿代 (津 市) 「関にて(地蔵院)」
  関宿まちなみ賞 加藤   栄 (津 市) 「関の地蔵堂」
     〃 山下 隆蔵 (名古屋市) 「関宿(関の戸辺)」
  亀山市観光協会長賞 石川   勉 (名張市) 「山石まえにて」
  審査員特別賞 豊田 陽男 (津 市) 「くらぞうさん」
     〃 中川 淳子 (四日市市) 「関宿のある風景」
       
 
秀作(10点)
  岩田   隆 (鈴鹿市) 「秋の関宿」   水原 恒士 (亀山市) 「関宿」
  信国 庸夫 (津 市) 「関宿(山石)」   赤根 克信 (津 市) 「昔の関を想いながら」
  岩脇佐代子 (津 市) 「関のまち並み」   麻生美智子 (鈴鹿市) 「志ら玉屋」
  堀越 栄子 (鈴鹿市) 「関宿スケッチの日」   橋本美代子 (四日市市) 「格子戸のある家」
  澤田 京美 (津 市) 「秋の関町」   松岡 麻紀 (津 市) 「初秋」
       
 
入選(22点)
  藤城 郁哉 (津 市) 「御馳走場」   仲   正樹 (四日市市) 「玉屋さん」
  渡瀬 峰寿 (亀山市) 「関宿」   稲垣 敏子 (鈴鹿市) 「いっぷく」
  小林 敏子 (鈴鹿市) 「寺堂前」   鎌田   優 (鈴鹿市)

「関の戸(関宿)」

  竹尾 清一 (東員町) 「地蔵堂を望む」   金児 玲子 (津 市) 「あいづや」
  南   荘八 (明和町) 「街道」   入江   浩 (名張市) 「街並み」
  川浦 秀夫 (亀山市) 「地蔵院」   中西   準 (津 市) 「関宿の情景」
  藤井恵美子 (津 市) 「ちょうちん」   濱崎 重夫 (鈴鹿市) 「地蔵院の一隅」
  杉浦葵貴子 (鈴鹿市) 「地蔵院」   橋本 正幸 (四日市市) 「寺の町関宿」
  服部よし子 (四日市市) 「福蔵寺」   向井 慶子 (津 市) 「関の街」
  河村 耕造 (大阪府堺市) 「関宿の町並みと窓」   高谷 俊之 (名張市) 「地蔵院の秋」
  後藤 邦夫 (鈴鹿市) 「橘重店先」   西部 隆哉 (四日市市) 「ストリート」
       
  <子どもの部>    
       
  金 賞 大橋 菜子 (菰野町) 「じぞういん」
  銀 賞 真弓 大芽 (鈴鹿市) 「ちょっとよってみたい、たのきのお店」
   〃 清水 陽斗 (菰野町) 「しょうろう」
  銅 賞 黒木 美佑 (四日市市) 「秋のある日」
   〃 川邊   葵 (亀山市) 「おじぞうさん」
   〃 清水 美希 (菰野町) 「たぬきさん」
  入選(10作品) 山内 優佳 (亀山市) 「玉屋」
   〃 阿野 春樹 (四日市市) 「福蔵寺の門」
   〃 阿野 拓哉 (四日市市) 「地蔵院の鐘堂」
   〃 井川 恵理 (亀山市) (無題)
   〃 伊藤 草彦 (亀山市) 「郵便局」
   〃 古川 真優 (亀山市) 「風景」
   〃 寺田 優芽 (桑名市) 「風景」
   〃 森   陽香 (桑名市) 「郵便局」
   〃 大橋 南月 (菰野町) 「会津屋前で」
   〃 小林 遊人 (津 市) 「おじぞうさま」